道具って大事 ②

〜 寝具の衣替え 〜 春から初夏

みなさんは、「端境期」(はざかいき) という言葉を聞いたことがありますか。本来の意味は、「前年産の米に代わって新米が出回る9~10月頃を指し、一般的には農作物の採れる入れ替わりの時期(在庫の少ない時期)」を言うそうです。しかし、現在では、単なる「季節の変わり目」のような意味で使われているのが一般的ではないでしょうか?

今回は、この「季節の変わり目」、主に春から初夏への「寝具の衣替え」についてお話したいと思います。

寒かった冬が終わり、桜の季節も過ぎる頃が、冬用の寝具から衣替えする時期と言われています。ここで言う冬用の寝具とは、主に毛布、あったかカバー、あったか敷きパッドなど、主に合成繊維などで作られた寝具のことです。合成繊維で出来た寝具は暖かさだけみると良いのですが、この時期になると、ムレが生じて暑いと感じる事もあります。暑いと感じて汗をかくと、その汗が冷えた時には体も冷やすことになり、体調を崩す原因となりかねません。そこで、カバーや敷きパッドなどを綿の素材のものに代えると心地よく眠れます。

 

スヤスヤ
 

 

私がお客様に説明するときは、「羽毛ふとんは、1年12か月のうち8か月は使え、梅雨の頃まで使えます。」とお話させてもらっていますが、ここで重要なのが住環境や地域、個人によって違うということです。寝具学では、「ひとりひとりに合った寝具選び」をコンセプトの一つにしています。羽毛ふとんに限っては、体質の個人差や、寝室の環境によっても使用時期が多少違ってきます。例えばマンションのように気密性が高く、しかも寝室が日当たりのよい南向きで、ベッドのように下からの冷えのない環境と、木造で築年数が20年以上で、北向きの部屋で畳にふとんを敷いて、底冷えする環境でお休みになっている方とでは、寝室の温度も湿度も違うので、羽毛ふとんの衣替えは、その方に適した環境を考慮してタイミングを計る必要があります。初夏から夏の時期の快適な寝室の温度と湿度は24℃~28℃、湿度は50%~60%です。(ちなみに冬場は温度13℃~21℃、湿度50%~60%です。)最近では、デジタル表示で部屋の温度と湿度が一目でわかる温湿度計なども販売されているので、みなさんも寝室に置いてご自身の「寝室環境を見える化」し、快適な寝室環境をつくられてみてはいかがでしょう。

また、全国的には具体的にいつごろ寝具の衣替えをしているのか調べてみました。

 グラフ
都道府県によって違いますが、5月10日時点では、まだまだ冬モードが優勢です。しかし、5月24日になると、夏モード寝具が冬モードの3倍~4倍に増えています。

もう少し細かく見ると、5月10日時点では、石川県と鹿児島県を除くとほとんどの県で冬モードが多かったのが、5月24日になると北海道と4県を除くほとんどで夏モードが優勢になっています。気温で衣替えの時期を見ますと、北海道ではもちろんですが、青森県と秋田県、鳥取県と高知県以外は寝具の衣替えが済んでいるようです。しかし、気を付けて頂きたいのは、5月のこの時期は、最高気温と最低気温の差が約20℃もあることです。「五月病」は、4月の環境の変化(人事異動やクラス替え等)で起こると言われていますが、実はこの気温差も自律神経に負荷をかけ、五月病を引き起こす原因といわれています。

日本地図
 

このように、寝具の衣替えは全国で昼間の気温が30.0℃に近づく5月下旬に多く行われているようですが、どうやらこれは昼間の最高気温を基準に行われているようです。しかし、最低気温にも充分注意して頂き、夜中に寒いと感じないように、最低気温が10.0℃を超えてくる時期(北陸であと2週間、東北ではあと1か月ほど)まで待った方がよさそうです。

表
 

日本はハワイと違って、朝晩の気温が極端に違う季節があるので体調管理が大変です。

次に生まれるなら、ハワイに生まれたいものだと思う今日この頃です。