寝具のQ & A ー保温性ってなに?ー

Q.保温性って聞きなれた言葉だけど、寝具の保温性って一体何だろう。

A.

冬の掛けふとんを選ぶときに、あなたは保温性を求めますか。

もちろん、保温性とは温度を一定に保つ性能のことですが、特にあたたかい温度を保つ時によく使われます。実際、冬の掛けふとんに保温性を重視していることがほとんどです。

恒温動物の中でヒトだけが、寒い時に衣服を着て体温を守ろうとします。日中は季節に応じて、また活動に応じて衣服を自由に選び、重ねます。一方、就寝時は季節に応じて、衣服のように寝具も自由に選んだり、重ねたりしているでしょうか。ヒトは1日のおよそ3分の1を睡眠時間に費やしています。しかもそれが毎日。それなのに、なんとなく睡眠時間を過ごしていませんか。むしろ、充実した生活を追い求めるあまり、睡眠時間を削っている方もおられるでしょう。そんなあなたが求めたくなる寝具の保温性について考えてみましょう。

クロー値

保温性は、衣服や寝具において一般的にclo(クロー)という単位で表されます。1クローがどのくらいの保温性かと言うと、気温21℃、湿度50%の室内で椅子に座っている人が快適と感じる衣服のあたたかさで、上下冬物のスーツを着た状態が全体として約1クロー、ここにコートを羽織ると約2クローと言われています。寝具で言うと、温度湿度が快適な環境で、昼寝をするとします。そんな時はたいてい毛布を1枚羽織るでしょう。この時、保温性はだいたい1~2クローくらいです。

では、寝具の何によって保温性が変わるのでしょうか。単純に毛布と羽毛ふとんを比較すればどちらが保温性は高いか一目瞭然です。見た目にも分かる通り、厚みが違います。厚みが違うという事は、空気を含む量が明らかに違います。実は、身近な物質の中で空気は最も熱を伝えにくい、優れた断熱材なのです。羽毛ふとんなら、たくさん空気を含みます。保温性は寝具の厚みの影響を受けるため、キルトなど縫製の種類やダウンの種類によってかさ(ボリューム)が違うと、保温性の異なる羽毛ふとんとなります。

キルト

縫製の種類では、立体キルト、2層キルト、ダブルフェイスキルト(京都西川オリジナル)の順で空気をたくさん抱き込み、保温性が高くなります。

しかし、寝具の保温性だけを求めても、快適な睡眠時間は得られません。なぜなら、あなたに必要な保温性は寝室の温度環境や、あなたの体質にも左右されます。例えば、一戸建てであまり暖房を使用しない寝室環境なら、高い保温性は必要ですが、近年の高断熱マンションなら、保温性よりも軽さやムレ感に気をつけるべきでしょう。また、基礎代謝量が高めの20歳くらいまでの方とそれ以上の大人世代だと、必要な保温性は異なりますし、男女によっても違いがあります。
実際に寝具を使用するとき、単品で使うことは少なく、羽毛ふとんにはカバーをかけたり、毛布を重ねたり、また敷きふとんにもカバーや敷きパッドと一緒に使います。どんな組み合わせにするか、どの順番で重ねるかによって保温性だけでなく、使用感やムレ感にも影響するので、専門の販売員に相談すると良いでしょう。

せっかく良い寝具を使っていても、自分に合わない使い方をしていたら、すごくもったいないと思いませんか。また、自分に合う寝具ではないため、我慢しながら寝ているとしたら、すごくもったいないですよね。
さて、あなたは自分のために、どんな寝具を組み合わせていますか。

監修:犬山 義昭(足利大学睡眠科学センター研究員)
参考文献:着ごこちと科学 原田 隆司